前回に続いて無肥料の畑の話、今回は茄子。
春先からえんどうやソラマメときて夏野菜。おくら、ピーマン、ミニトマト、モロヘイヤなどがそれなりに育って、獲れてきたのですが、茄子だけ調子が悪い。
苗を植えて、細い枝が出て、その先に小さな実がついているだけ。
去年も茄子は調子が悪かった。肥料くれてないからな。雨も少ないし、今年もうまくいかないかな、と思っていました。
茄子は多肥栽培の代表的な野菜です。高温多湿な日本の夏はよく合っていて、肥料をドカンとやり、通路に水をかけ流したりすると、うちわの様な葉が出て、いくらでも獲れる。
そんな茄子を無肥料で、やはり無理か。いや何とせねば、と日にちだけが過ぎていく。
手元に「野菜の垂直仕立て栽培」という本があります。広島の道法正徳(どうほうまさのり)という人が提唱している栽培法です。
ずっと前に読んだ本でおもしろいと思いましたが、試したことはなかった。今回ワラにも縋る思いでやってみました。
普通、茄子は枝を3本か4本に仕立てるのですが、垂直仕立ては、株元に1本長い支柱を立て、出た枝を全部その支柱に縛っていくというもの。
オーキシンやジペレリンといった植物ホルモンを活性化させるのだという。枝を縛ったら葉が日光を受けられなくなりそうだと心配したのですが、他に方法は思いつかず、40本全部の枝を垂直仕立てに変えてみました。
縛ってから1週間くらい経っただろうか。上の葉がピンと元気になり、色も濃くなったのが判ります。いつまでも大きくならなかった実も太りだし、それからゆっくりですが新しい芽も伸びてきて、株は回復したのです。うそのような話でしょう。
枝をまとめて縛っただけ。いや多少灌水をていねいにやったのですが、それだけで今もピカピカのおいしい茄子が獲れています。
おそろぺし道法スタイル。侮るなかれ植物ホルモンです。
暑くてへたりそうな夏ですが、こんな新しい発見もあり、気持ちは元気です。農業は おもしろいねえ。
2026.8、石上農園



