とうもろこし

趣味でつくっている無肥料の畑がある。今年はその一角にとうもろこしを植えてみた。毎年の様に、新品種が発表され、より甘く、より軟らかく、生でも食べられるのが今時の主流だが、ここに植えたのは古い固定種。

とうもろこし栽培のキモは、慣行でも有機栽培でも、株の小さい時と実がなる時の2回肥料をやる。これははずせない。肥料が多い程、大きくがっしりと育ち実も大きくなる。実がふくらむ時の水やりも欠かせない。そうして一週間から10日くらいの間に全部収穫する。品種改良で種まきから何日めで収穫、と生育を揃えてあるからだ。だから生育にバラつきのある固定種をさらに無肥料で、なんていうのはプロからすれば常識はずれ、ありえない。

植物というのは、種の発芽の時からその土の微生物に感染し共生関係を結ぶ。土にある養分を自分でさがす一方で、葉でつくった同化養分を根から分泌して菌根菌や根の周りの微生物にエサとしてふるまい、自分では吸えない養分を彼らから与えてもらう、という共生関係があるらしい。しかも根から放出する同化養分はかなりの割合になるというのだが、そんなことせずに全部自分の成長の為と使ったら、もっと早く大きくなれるのに、と思うのは人間だけで、植物にしてみたら、この共生関係は植物が陸に上がった時、まだ根がしっかりしていなかった時からのものなのでこれなくしてはありえない関係ということらしい。そうして、山も野原も耕作放棄地もアスファルトの割れ目も、植物は肥料をやらないのに育つ。そういうことらしい。

さて、前おきが長くなったが、多肥栽培が常識のとうもろこしにおいて無肥料が成りたつのかやってみました。前作はえんどう。ろくに耕しもしないうねに2条のすじを引き、前の年に取った種をバラバラ播く。整地が不充分で発芽が揃わず、そのうち周りの草が大きくなる。何回か草取りをするうちに遅く生えた株も大きくなりうす緑色の葉をつけたとうもろこしが育ちました。肥料をやってないとこういう色になるのだな、と。それでも日を追う毎に背丈も、葉色も濃くなり、雄穂が出て、雌穂もついて、何とか収穫できたのです。丈も肥料をやったのと比べて少し小さいくらい。味は、といえば残念ながら甘みうすいです。昔の品種を播いたのですから昔の味がするのです。これでは売れないかも。でも、これはこれで良しとしておきましょう。固定種でバラつきがあるので、畑でよさそうな株に印をつけておきました。来年に向けて種どりです。無肥料でも育つことが判ったので、来年はもう少しうまくやります。

2026.7. 石上農園

タイトルとURLをコピーしました