
お知らせ 2025.現在地
2025/04/30
年をとって体に無理が効かなくなると、仕事の仕方をもっと楽にしたいと考えるようになります。野菜畑の場合、何度も耕し、堆肥を運び、うねを立て、種を播き、草を取り、そして収穫。一作が終わったら片付けをし、また耕してと、年中次から次へと作業が続きます。若いころは農業とはそういうものだと思っていました。田んぼでも果樹でも同じようなものです。 楽をするために、さまざまな作業機械ができ、エンジンも大きくなり、石油由来の資材も使うようになりました。確かに楽にはなりました。しかし、マルチやトンネルは片付けなければならないし、機械は壊れるものです。もっと違うやり方はないのかな、とぼんやりとですが考えるようになりました。農薬を使うのが嫌で有機に変えましたが、有機は有機なりの問題がありました。若いころのような力技はもうできませんし、やり方を変えようと考えるようになったのはここ5年、10年のことです。 今はいろいろ試しながらやっています。耕すのをやめ、肥料をふるのもやめ、もちろん力技をやめることへの勇気も必要ですが、なんとなく自然農へと向かっています。これが2025年の石上農園の現在地です。果樹はできています。肥料をふらずに草刈りと剪定だけで、おいしくて日持ちのする果実が穫れます。肥料代も農薬代もなしの、ただ獲りです。収穫物を持ち出すだけですが、それでも穫れるのです。問題は野菜畑です。去年、豆類はよくできましたが、キャベツは散々でした。耕さずに種まきをするにはどうすればいいのか、競合する草をどうするかなど、解決を先延ばしにした課題があります。それでも果樹でできているのだから何とかなる、そのほうが楽だという気がしています。 年をとって体力的に厳しくなっても、楽しい農業を続けていくために仕事を変える、これは変化ではなくて進化だ、まだまだ伸びしろはあるぞと思いたい。これから順を追って、自然農に転換中の畑の様子をお伝えしていきます。 どうぞよろしく。 2025.4.13